今回は、人の体内では合成できないため、外から取り入れる必要があるビタミンCがもつ、「抗酸化作用」という働きについての説明です。
ビタミンCは必要で大切であると、多くの人がさまざまな情報からわかっているけれども、具体的に何がどのように作用するから必要なのかという点を、言葉で説明できるほどの知識があるかというと、そうではないケースもあると思うのです。
言葉で説明できるくらいの知識をもっておくと、自分でいろいろ気を配ったり選択したりすることができますから、ダイエットや健康増進の目的で食事を管理する場合のメニュー選びに役立つと思い、わかりやすくまとめてみました。
酸素によって、酸化してしまうしくみ。
人は、呼吸をして酸素を取り入れることで生命を維持しています。
物と酸素が結びつくと「酸化」という現象が起こります。わかりやすい例えを出すと「クギがさびる」現象が、酸化した状態です。子どもの頃の、理科の時間に習いましたよね。
呼吸をして、酸素を体内にとりいれることによって、栄養を分解したり運んだり、エネルギーを生み出したりしていて、これは生きていくために必要なことなのですが、同時に、酸化という現象も起こってしまうことになります。
ものごとはすべて「裏表」になっていて、必要な働きの分だけ、そうでない作用がついてまわることもあります。「おいしいものを食べると、その分、体重が・・・」と似ていますね笑。
取り入れた酸素のうち数パーセントが、「活性酸素」と呼ばれる強い酸化力もつ物質になります。
これはこれで、有益な働きもしているのだけれども、酸化力の反応性の高さによって、
タンパク質を傷付けたり細胞の機能を低下させたりして、老化や生活習慣病の原因を作ってしまいます。
身体をさびさせない(活性酸素が無害化される)ためには
発生した活性酸素は、人の体がもつ「酵素」の働きによって無害化されるようになっているのですが、発生量が多いと処理が間に合わずに体にダメージが与えられます。
しかし、こうした働きをもつのは、酵素だけではありません。
「ビタミンC」にも同様に、発生した活性酸素に対して無害化するという「抗酸化作用」があるのです。 (ここまでの説明が長い(^_^;))
実は、ビタミンC自身が、酸化されやすい物質
ビタミンCによって、体が酸化されることが抑制される理由というのは、おそらくちょっと、意外かもしれません。
抗酸化物質とは、「それ自身が、とっても酸化されやすい物質」なのです。ビタミンC自身も、とっても酸化されやすい性質をもっています。
つまり、ビタミンCが、(酸化されやすいので)優先的に酸化してくれる?ことで、体へのダメージが抑制されます。
ビタミンC自身が身を挺して、体のタンパク質や細胞が傷つくことを防いでくれているようなものですね。
人は、体内でビタミンCを合成できませんので、食べ物から取り入れる必要があります。しかも、体内に長くとどまらずに数時間で排出される性質があるので、毎食の意識がとても大切だと思います。
※この写真は、昨年の夏に、私のホームページを作っているときに、「テレビジョンの表紙風」な写真をということで撮影したものです。カメラ目線にならなかったので採用しませんでしたが、レモン=ビタミンCのイメージがありますので、これはちょうどいい!ということで、ここで有効活用してみました。